バイヤーインタビュー
- まずはご出身と、これまでの経歴について教えてください。
- 山口: 岩手県二戸市の出身です。近くには“座敷わらし”で有名な温泉がある町です。15歳で中学を卒業後、上京しました。 本格的にリユース業界に入ったのは2014年、28歳のときです。最初はオークション会社にアルバイトで入り、気づけば社員・責任者として12年間この業界に携わってきました。
- 最初からオークションに関わっていたんですか?
- 山口: 最初は現場の手伝いからですね。ある日、先輩が遅刻してきたタイミングで突然「お前、今日ハンマー持って振れ」と言われて(笑)。右も左も分からないまま“フリ師”としてデビューしました。 でも昔から音楽をやっていて、リズム感や耳の良さには自信があったので、オークションの独特なテンポや掛け合いも、感覚的に馴染めたのかもしれません。
- オークション業界のオンライン化については、どう関わってきましたか?
- 山口: コロナ禍で「手競り(会場での競り)」ができなくなり、業界全体がオンライン化に進みました。その時、手競り文化の良さをどうやってデジタルに落とし込むかを考え、ディレクション側としてシステム開発を担当しました。 オンライン化によって参加者が増え、価格も上がりやすくなったので、出品者にもメリットが大きかったですね。
- 現在の活動について教えてください。
- 山口: 現在は独立して「えびオク(恵比寿ブランドオークション)」というオンラインオークションを運営しています。古物商許可やインボイス登録を持つ業者を中心に、多くの人が参加できるプラットフォームを目指しています。 「恵比寿から世界をワクワクさせて新しい波を起こそう」というコンセプトのもと、将来的には海外からの参加や輸出にも対応していきたいと思っています。
- 今回、株式会社JUNIOR様の金井社長との協業も話題になっていますね。
- 山口: そうなんです。彼とは2014年頃、オークション会場で出会って以来の仲で、十数年越しに再び手を組むことになりました。お互い得意分野が違うので、背中を預け合うような関係です。 「俺たちの世代で次の時代をつくる」という覚悟のもとに、リユース業界に新しい風を吹かせたいですね。
- チーム作りで大切にしていることは?
- 山口: とにかく“人”ですね。会社のミッション・ビジョン・バリューを明確にして、それに共感できる仲間を集めています。 社内では「セブンスピリッツ」という7つの精神を掲げていて、七人の侍のようにそれぞれの信念を胸に仕事をしてほしいと思っています。 メンバーは全員がマルチではなく、各自が得意分野を持つ“ワンピース型”のチームです。欠点があっても補い合えば最強のチームになると信じています。
- メンバーには芸能出身者も多いと伺いました。
- 山口: そうなんです。元ミュージシャン、役者、芸人などが多く、一度は夢に挑戦した経験を持っている人材が多くいます。そういう人たちは想像力や表現力が豊かで、営業でもお客様とのコミュニケーションでも強い。 そして何より“ピュア”なんですよね。お金よりも夢や信念を大切にするタイプが多い。だからこそ信用できる。 何よりそういった志を持つ人たちに“ビジネスの舞台”で活躍してほしいという気持ちがあります。
- 普段の生活や、趣味の時間は?
- 山口: 昔からバーやスナックが好きで、代々木上原のスナックには20年近く通っています。歌うのも好きですし、そういう場所での人との出会いが自分の人生を豊かにしてくれていると思います。 バーのマスターのように、人が集まる“場”をつくるのが好きなんでしょうね。
- 最後に、今後の展望を教えてください。
- 山口: リユースで世界をワクワクさせたい。そのために、できるだけ多くの人を巻き込みながら、出品者・バイヤー・消費者が喜べる仕組みを作っていきたいです。 好きなものを、納得して買ってもらって、手に取ったときに“いい買い物をしたな”と思ってもらえるように。 それが僕にとって一番のやりがいです。
